70代女性

◆症状
左膝
動いている時、歩いている時、時々ギクッとなり痛む、曲がっている
寝ていても痛い、ジンジン痛む時もある。

◆経緯
左足の踏み込みで、左膝がギクッとなった。
整形外科では、「半月板損傷」と診断。
2か月間治療し、経過観察。
自分で足を曲げるリハビリ指導を受けた。

カイロプラクティックに3回行ったが、改善せず。
コルセットをつけていたが、足のむくみが生じ、
外すと筋肉が落ちたように感じたので、筋トレをした。

整骨院で、電気・マッサージ・筋トレ指導を受けた。
ハイボルトの電気治療や筋トレは痛かったが、痛い方が治るのかと思い、必死に耐え、2週間毎日通うも変化なし。

色々行ったが良くならず、検索し当院に連絡。

初回の来院時まで、膝が痛む動作はなるべくしないよう、指示を受けたが、筋トレやストレッチを何もしないのは不安だった。
正直迷いもしたが、半月板損傷の方のクチコミを読み、自分も同じだったので、来院。

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◆初回

・動作検査では下記のような状態が見受けられました。
A)使うべき筋肉が使えていない


B)どこの筋肉を使っているのか分かりにくい

これは、この方に限らず、よくみられる状態です。
逆にこれらができていれば、痛めることも少ないと言えます。

A,B)の状態で筋トレをしても、鍛えたい所ではない所に力が入ってしまうので、今は筋トレは辞めた方がよいことをお伝えしました。

リハビリ、筋トレ、電気治療など、色々と熱心に治療をしてこられたのに、この方がよくならなかったのは、なぜでしょう?

・筋肉をつけましょう。という方針の治療で、痛い動作のリハビリや筋トレを指導されてきた
・ベットの棒を握りしめる程の痛い電気治療を受けてきた

これらは痛い思いを脳に刷り込んでいることになります。
防御反応で感覚は鈍くなり、体も硬くなり、治りづらい体になります。

 

【当院の方針】

「筋肉をつけるより、痛みをとることが先決!」
「筋トレより、筋肉のこりをゆるめる!」
「筋トレは効くべき所に効かせられてこそ意味がある」

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◆初回施術
これまでの経緯を踏まえながら、
初回では、主に下半身を中心に施術しました。

鍼はお久しぶりですので、細い鍼から様子を見ながら進めます。

鍼やマッサージなどの施した後、
動作での痛みや、使うべき筋肉が使えているか、
フォームなど、その都度、確認にします。

これが当院の施術スタイルです。

この繰り返しの中で、最初は、逆側の筋肉を使っていた部分が、しかるべきところに力が入るようになりました。

「えっ、なんで?不思議!」
「ひざだけ集中してやっていてもダメなんですね!」
「もっと早く来たかったー」

お帰りになる頃には、
「帰りは杖無しで帰れそう!なんでもできそう!ジャンプもできそう!」と
おっしゃっておられましたが、まだ、ジャンプをするのは早いので控えて頂きました。

この方は、初回で変化がみられましたが、これは人によりけりです。
この方の場合は、もともと筋肉の質がよい、ということもあります。

◆初回施術の翌日のご報告
・杖無しで帰れた!

◆2,3日後
・寝るときにジーンとした重さがなくなった
・体重をかけてもほぼ痛みなくなった

◆2回目 来院時
下記のようなお声を頂きました。

・拙著も読んでくださり、
「床に物が落ちた時の拾い方を実践したら、全然痛くない!すごい!はじめて知った!」
「本に書いてある立ち上がり方を実践したら、トイレから立ち上がる時なども楽!てきめん!」

「初回で楽になった。今までの電気の治療がいかに拷問だったか。耐えていたし、耐えれば治ると思っていたが、全然よくならなかった。
ここの治療は、どんなことをやるか人に聞かれても、色々なことをやるので説明しづらいが、よくなってる!不思議!」

「歩き方も指導してもらった。股関節を使って歩く、というのは、本で読んだことはあったが、よくわからなかった。教えてもらって実際にやってみてよくわかった。」

「色々勉強になることばかり!」

その後、リウマチと判明しましたが、

◆5回目 右足が軽くなる、杖をついているので肩こりあり。

◆6回目 歩けるようになった!
「歩けるようになった、ほんとに!こんな穏やかな施術でよくなるなんて不思議だけど、確実によくなっている。
まだ運動する気力はないけど、また空手やりたい、と思えるようになってきた。」

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「筋トレより、まずは、痛みの解消!」

早期改善の早道の一つは「痛みを感じる回数をなるべく減らす」ことです!

痛みを感じる回数が多くなるほど、治りづらくなるのはなぜでしょうか?

主な理由は、下記です。

・脳が痛みを覚え、痛みに対してより敏感になり、恐怖心も刻み込まれてしまう

・恐怖心があると防御反応も強くなるので、体の緊張度が高まり、物理的に体もかたまる

・恐怖や防御があると、深い呼吸ができないので、酸素が十分に巡らず回復が遅れる

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よって、今の状況で、まずご本人でできることは、
「筋トレや痛みを感じる動作をしないこと」

なるべくリラックスした状態をつくることです!

この方は、歩く時に、お腹にぐっと力を入れていると教えて下さいましたが、それですと、呼吸が十分にできず、緊張した歩き方になっています。

日常生活や施術で、体の緊張をとり、動作において痛みを感じない回数を増やしていき、脳に安心感を覚えさせることによって、体もゆるんでいきます。

施術している時間よりも、日常の時間の方が当然多いので、普段の体の使い方や過ごし方は、思っているより重要です!

投稿者プロフィール

ブログ管理人
ブログ管理人
鍼灸師・柔道整復師2つの国家資格所持。
治療業界20年のキャリアで1万人以上の健康をサポート。整形外科分野、難病や脳血管障害、リウマチなど様々な分野もリハビリステーション等で経験。

開業後は、膝の痛み専門治療院として、半月板損傷で手術を宣告された方を200人以上手術なしで改善。以後、膝以外の痛みの改善にも力を注ぐ。

柔道・新体操・バドミントン・ダンスなどの種目で高校生・大学生・クラブチームに「怪我をしない体の使い方・考え方」を主に指導。


私自身も数多くの怪我や病気により中学生時にドクターストップになりサッカーを断念。

現在、体でお悩みの方が好きなことを断念せず、いきいきとした人生を送れるよう、私の経験と技術であなたをサポートできることができれば幸いです。